【笹田晋平 個展】
バプテスマの子ゾウ ~攪拌の家~

バプテスマの子ゾウ第1シーズン〜胎動実験〜に続く第2シーズンの展覧会です。
今回は前回の第1シーズンの描法を引き継いだ升目に新たに明るい補色を描き、「透明な檻」を加えた絵画数点と、第1.5シーズンの二人展「SLEEPOVER PARTY」から続く立体作品数点で構成されています。
「攪拌の家」というサブタイトルの意図はあえてここでは語りませんが、会場に足を運んで体感していただければと思います。
笹田晋平
「バプテスマの子ゾウ」(略称バプゾウ)
昨今、旧統一教会問題やパレスチナ問題など宗教について考える機会が多くありました。バプテスマとは、キリスト教における「洗礼」を意味します。洗礼の儀式で洗礼者がこれから入信する者に水を頭からかける場面があります。この場面は、ルネサンスの画家ヴェロッキオやピエロ・デラ・フランチェスカなどによって「キリストの洗礼」として絵画に描かれています。
街中の公園の遊具のゾウを見ているときに、そのゾウが自分自身に洗礼を施しているように見えました。
私は、宗教において「他人と同じものを信じること」すなわち「共感」が重要な要素だと考えます。「他者との繋がりを拒み、自分の信じる神様は自分自身で決める」という姿勢は、「何かに依存しないと生きていけない」我々の眼前で自らの孤高を誇るかのように美しく見えたのでした。
一方で、他人に依存しないということは自分の世界に閉じこもることでもあり、永遠の自己循環に陥る可能性も秘めているとも言えます。ミルククラウンを戴いた孤独な王様は、私には現代日本の其処彼処にひっそりと生きている人々の姿にも思えるのです。












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